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***山崎side
斎藤君の手当てをしているひろさんは、なんや怒っとるみたいな顔しとる
惚れた男が怪我して堪えてんの、気ぃ付いたられへんかって、自分に腹立ってんねやろな
ま、斎藤君も、なんぼ我慢強い言うても、ちっと診せたら済むとこ我慢してもうて・・・
で、さっきからずっと、だんまりなんやけど・・・
なんや、あの二人、好きおうとったんちゃうの?
久しぶりに会うたんやろ?
なんも喋らんと何してんの?
とうとうなんも話さんまま、斎藤君帰ってもうた・・・
「なぁ、君ら二人、どないなってんのん?」
したら、俺の肩に顔を埋め、声を殺してひろさんが泣いてもて・・・
そう言えば、あんな一世一代の告白したのんに、ひろさん、答えてくれへんどころか、まったくもって普通に俺と接してるねんけど?!
もしかして、やっぱり、あれ、夢やったん・・・やな
ひろさんはしばらく泣いて気ぃ済んだんかして、
『へへ、おおきに』
と下手な大阪弁で礼言うて、処置具の片付けに行ってもうた
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