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「誰か、土方に伝えて!
ああ、会津公でも桑名公でもいい!
あの赤い旗は朝廷の、陛下の旗だ!」
伝令が、ちゃんと伝わったかどうかわからない
近代化されていたはずの幕府軍は、その訓練不足が露呈し、空回りする攻撃はその軍備を活かしきれない
その上、司令官二人が討たれた後、指令系統がすぐに修復できず、幕府軍は混乱するばかりだ
長く泰平が続いて形式と上下関係ばかり重んじる武士社会の弊害か?
『上に任せてさえいれば、自分は何も考えず、それに従えばいい』と言う考えの集団は、任せる『上』がいなくなると、只の烏合の衆と化してしまう
それに対して西軍は、薩英戦争や馬関戦争、第二次長州征伐で近代戦慣れしてる上、上官が討たれても、直ぐに別の指令系統が立っているようだ
上鳥羽で奮戦していた新選組も、困惑の中、淀へ退いてきた
初戦の敗因は、錦の御旗のせいじゃない
軍備の新旧だけじゃない
近代戦に長け、臨機応変に戦闘体系を変えられる側の勝利だったんだ
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