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「なんやの、それ?」
「えっと・・・
昔、クリミアと言う所で戦争があった時、ナイチンゲールと言う看護婦が居たんです
傷ついた戦士の看病を甲斐甲斐しくしていたナイチンゲールは、『クリミアの天使』と言われてたんですよ
彼女を恋い慕う人は後を絶たず、その影に口付ける兵士もいたそうです
でも、ナイチンゲールは、誠実に精一杯仕事をやってただけだと思うんですよね・・・」
「せやろうな・・・」
「看護者は通常の仕事をしてるけど、患者は特別自分だけが優しくされてると思いやすい
でも、患者の怪我や病気が治って、二人が看護者と患者と言う関係で無くなった時、はたと気づくんですよ
こいつ、仕事でしてただけじゃん
自分は、患者の一人だったんだって
感謝する事もなくなった元患者は、自分が恋してた相手は、仕事熱心な普通の医療従事者だと初めて気がつくんです」
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