第0弾「神の祝詞」

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──今でも鮮明に思い出せる。 白い雪。それと冷たい風が吹く中に見た、1人の男性と一匹の犬の姿が。 下校途中だった私は、こんなに寒い中でポツンとバス停に立つ、彼らを見ていることしか出来なかった。 そして、そんな何も出来なかった自分が心底許せなかった事も。 いつからだっただろう。 曲がったことが大嫌いになったのは。 いつからだっただろう。 この世の中に確かな『正義』を掲げたいと思ったのは。 いつからだっただろう。 ──自分が、『正義の味方になりたい』と願い始めたのは。
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