1/10
前へ
/40ページ
次へ

  歩が打合せから戻ってくると、 隣の席の植野と談笑していた木村が 思い出したように声をかける 「馬場園さん、受付にお客様がお待ちです。」 アポイントの予定のない歩は首を傾げる。 「お名前は?」 えーっと、と木村は業となのか分からないが ただでさえ短いスカートを更に捲し上げながら 向かいの自席に手を伸ばし、メモを取る。 そして、やはり業とだったらしく 自分の太ももを食い入るように見つめている男達を 楽しそうに横目で見た木村は 最大限自分が可愛らしく見えるポーズなのか 小首を傾げて、歩にメモ用紙を渡した。 一々勘に障る動作だが、突っ込んでいると日が暮れる。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加