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弐
歩は憂鬱な気分で朝を迎えた。
今日は退院後初めて
貴子が会社に来ると言うのに・・・。
今日までは貴子の体力を考え
資料を貸し出すという形で
病室やホテルで仕事をしてもらっていた。
それに打合せは仕方ないが、
今後も貸出記録をつけ、貴子の負担を減らすという
歩の案が受け入れられホッとした所だ。
それでも、歩の心は分厚い雲に覆われ
今にも起こりそうな嵐を恐れている。
それは由美子が
あの日残した捨て台詞に起因している。
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