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  柳は申し訳なさそうに眉を曲げる。 「忙しい時に呼び出して悪かったな。」 いいの、いいの、と歩は笑顔で応じる。 「私も気分転換にみんなに逢いたかったし。」 で?、と水を向けると、 柳は日本酒で口を潤してから話し始めた。 「実は、来月後半に千宮先輩が帰国する。」 「えっ?!!」と歩。 「まじっ???」と海部。 「ふーん・・・」と三田。 一瞬言葉を失った歩達とは違い、 三田は納得したように頷く。 「で、このメンバーってわけね。」 ああ、と柳は苦笑した。 「シンガポールの学会に出席した後 数日、日本による滞在する予定らしい。 ・・・千宮先輩の初めての帰国だし、 ちゃんと出迎えたいんだ。」 無言で思いにふける皆だが 同じ事を考えているに違いなかった。
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