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「……」
一瞬時が止まった気がした。黒髭が動かなかった。そう、一瞬だけ……無情にも黒髭人形は宙に舞った。
「……」
「……」
二人に沈黙が流れる。とても重い空気。小学生の僕にはこの重圧はとても重すぎて、押し潰されそうだった。とても苦しい。恐らく彼女はこの後黙ってここを出て行き、旧校舎で、元の行動を実行しようとするだろう。止めたいが、自分でこの話を持ちかけた手前、止める事が出来ない。どうすれば……
「ッ、アハハハハ!」
真剣に考えていたときだった。彼女が突然大声で笑い始めた。僕はその姿に驚いた。
「ど、どうしたの?」
驚いた僕は目を丸くして彼女に聞いた。
「だって……だって、あれだけ偉そうに言って自分でハズレを引いちゃうんだもん。おかしくて、死ぬ気が無くなっちゃったよ……」 目に涙浮かべながらお腹を抱えて笑う彼女。驚いていた僕もつられて笑い出した。
それから何年もの時が流れて僕は大人になって結婚もした。あれからたくさんの出来事があったけど、あの時の事を今でも昨日の事のように思い出せる。僕は小学校を卒業と同時に遠くに親の都合で引っ越した。僕はその後彼女がどう思い続け、今の僕の事をどう思っているのかはわからない。だけど……
「あなた……」
僕を呼ぶ妻のやさしい声。そう。今の僕の妻が彼女なのだ。あの日僕が彼女を止めたのも、あれから引っ越してまた彼女と再会したのも……運名の赤い糸が二人を引き寄せたのかもしれない。
(あとがきと補足)
この作品は私の所属する部活のWeb掲載用小説として提出した作品です。
というわけでネェ。書いてみましたが……実は間の話消してます。理由はコピペがめんどかったから、
機会があったら載せようかと……
以上ッス🐱(逃)
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