愛の唄

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Love Song それは、聴く人によっては涙する。 希望の唄でもある。 シンガーソングライターの遠山 亮(とおやま りょう)、彼は売れないミュージシャン。 「あー。今日も少ないな」 ステージ横から会場を眺めていた。 ライブハウスの店長が、 「リョウ。入っているんじゃないの」 「店長。今日は新曲ですよ、もっと沢山の人に聴いて欲しいんだ」 「気持ち入ってるんじゃないの。きっと届くよ、その気持ちがあれば」 「気持ち入れて歌いますんで」 ライブが始まる。 歌うリョウ。 客はBGM と勘違いしているのか? 聴いてない。 最後の曲に。 リョウは最後の曲を全力で唄った。 ギター1本、実力を試す。想いを込めたLove Song 会場が静かになった。 静粛な時間が長く感じたリョウ。 「駄目か・・・」 そう思った瞬間、拍手が起こった。いつも以上に聞こえた。 会場に目を向けた。 「泣いている?」 アンコールの要求。 ライブは終了した。 自主制作したCDが、何時もより売れた。完売した。 最後のCDにサインをして、お客様を送り出した。 「リョウ。ライブまた頼むな」 「はい店長」 リョウは、ライブハウスを後にした。
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