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イオリの使用している機体はタロス改。量産型であるタロスを改修した文字通りのディーンドライブで一つ目状の頭部メインカメラがゴーグル状のものに変わっている。
同じタロス型といっても顔がだいぶ違うので古参のアストロノーツの中には「こんなのはタロスじゃねぇ」などという者もいる。
そんなタロス改だが、イオリは普段よりこの機体に搭乗していた。
――いつも通りにやるだけだ。
イオリはそう思いながら行動を開始する。
敵はどこから現れるかわからない。センサーを最大範囲にして周囲を警戒しながら歩みを進める。
と、さっそく反重力エネルギーを感知したセンサーが警報が鳴り響かせ機械的なシステム音で敵の出現を告げた。
「お出ましか」
センサーが告げる方向へとメインカメラを向けると、そこにはオパビニア型と呼ばれるダンゴムシのような身体に数枚の翅を生やして飛びまわる奇怪なガリオンが数匹確認できた。
オパビニア型ガリオンの特徴は手のように発達した異様な下顎で、それを武器に様々な破壊活動を行う。確認されている数種類のガリオンたちの中でも特に異様な姿をした個体だった。
そんな見るからに異形なオパビニア型に向かって、イオリはタロス改が標準装備しているCEアサルトライフルFの銃口を向けた。
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