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『後方6時の方向より高速接近する反応あり!』  ひと段落ついたかと思ったのも束の間、突然マーガレットの通信が入る。  その声に即座に反応したイオリはタロス改を反転させ、腕部に搭載されているCEシールドを使ってケーバライトエネルギーをシールド状に展開した。  するとその直後、激しい衝撃がタロス改を襲った。 「くっ!」  体勢を崩されたイオリのタロス改はよろけて後方へと下がる。  シュミレーター内部ではビ―プ音を響かせてダメージを受けたことを告げる音声が流れた。 『また来くるわ』  マーガレットの声。  イオリはすぐさま機体の体勢を整えて敵の姿を確認する。 「トリロバイト型か」  空中を旋回して再びこちらへと突貫してくる敵ガリオンの姿を確認したイオリがそうつぶやく。  トリロバイト型と呼ばれるガリオンは、遥か古代に存在した三葉虫に酷似した姿をしたガリオンで、大きく強靭に発達した斧状の頭部が特徴的な個体だ。  そんなトリロバイト型は己の身をまさに斧に見立て、タロス改を粉砕しようと突撃してくる。  イオリは即座にCEライフルを構えて反撃を開始した。  銃声と共に弾丸が撃ちだされる。その弾丸は、タロス改へと一直線に向かってきていたトリロバイト型に直撃した。  だがトリロバイト型はその動きを止めない。  ダメージは受けているようだが、小型ガリオンの中でも特に固い外殻を持つトリロバイト型への致命傷とはならなかったようだ。
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