0人が本棚に入れています
本棚に追加
「……少しばかり厄介だな」
イオリは空を仰ぎみながらそうつぶやいた。
エイ型のガリオンたちがタロス改をみつけて上空を旋回している。
数は6つ。本来ならエイ型の集団に対応するには小隊単位で当たるのが一般的なのでタロス改1機では分が悪い。
だがそれでもイオリはCEアサルトライフルを構え応戦する姿勢を見せた。
――ガリオンは1匹でも多く殲滅する。
イオリは目を細め、上空に向かって発砲した。
それを合図にしたかのようにエイ型たちは本来の機動力を使ってタロス改に襲いかかる。
エイ型たちは素早い動きでタロス改を捉え、その戦闘機動を落とすことなく赤い瞳からビームを放つ。
イオリはそんなエイ型たちの的にならないように常に動き回りながら応戦していく。
だが相手の数が多く、たった1機のイオリは追い詰められていった。ビームによって巻き上げられた粉塵と爆発が視界を遮る。
「くっ!」
イオリはなんとか戦闘を続行しようとタロス改を操り、ちょうど見つけた岩場に機体を隠した。
シュミレーター内ではダメージ警告が何度も繰り返され、赤色灯の光が明滅している。
『キノさん、無理はしないでください。シュミレーションはここまでにしましょう』
「いや、まだだ」
『無理です。エイ型の集団相手にタロス改1機ではとても対応できません』
「結果はどうなるにしろ、最後までやらなければシュミレーションの意味がないだろ!」
イオリはそういうと岩場の影からエイ型たちの前へと飛び出し、CEアサルトライフルを乱射しながら突撃する。
その動きに機動を乱された1匹のエイ型をイオリは見逃さなかった。
「くらえッ!」
攻撃の矛先をすぐさまそのエイ型へと移すとCEアサルトライフルを乱れ撃つ。
激しい銃撃を受けた1匹はその身体にいくつもの弾丸をもらって地表へと激突。そして沈黙。
だが他のエイ型ガリオンたちはそんな仲間の事など気にした様子もなく、目の前に現れたタロス改に向かって集中砲火を浴びせる。
最初のコメントを投稿しよう!