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「お疲れ様でした、中尉」
「あれはなんなんですか?」
「あれとはなんの事でしょうか?」
「とぼけないでください。あの滅茶苦茶な戦い方です。シュミレーションだったからよかったものの実践だったらどうなっていたか……」
「自分はあの状況下で最善の手を尽くしたつもりです」
「あれが最善ですって?」
マーガレットが眉をひそめる。
面倒だな、と思いながらもイオリは自分の率直な意見を上司へと告げた。
「自分はそうだと思います。ガリオンを1匹でも多く撃墜する。そうすることによってその後の被害にも大きな違いがでるはずです」
「確かに多くのガリオンを倒すことは悪いことではありません。けれどあれではあなたが助からないでしょ」
「自分はいつでも命を捨てる覚悟が出来ています」
「それはご立派ですね。ですが私の部下である以上そのような考えは捨ててください!」
語気を強めてマーガレットがそういった。
絶対に部下を死なせない――マーガレットのこの意思はいつも固い。
さらにこの意思には、ひとりでも多くの人を守りたいという思いが含まれている。
その思いはイオリも感じていて、マーガレットの考えが悪いものではないということはわかっていた。
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