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「今日の調子どうなんだ?」
イオリはそういってタロス改をアゴでしゃくる。
ヤンはタロス改を仰ぎ見ていった。
「今日の調子も絶好調だよ。いつガリオンが来ても大丈夫さ」
「ヤンのお墨付きがあるなら安心だ」
イオリはそういうと口元にだけ笑みを浮かべる。
「それはそうと、イオリは知ってるかい?」
ヤンはタラップの手すりに両腕をあずけてイオリを見下ろす。
「なにをだ?」
「新型ディーンドライブの噂だよ」
「新型? ああ、タロス型に変わる次期量産型の話か」
「違う違う。それじゃないよ」
ヤンはそういうとタラップを下げ、梯子を使って下へと降りてくる。
そしてイオリの側に来ると得意げな顔になっていった。
「いままでとはまったく違うすごいディーンドライブが来るらしいんだ。その機体の開発にはうちのトモコ・ニノも関わったらしいって話でさ。基地内じゃ結構噂になってるよ」
「そうなのか」
「……あんまり興味なさそうだね」
「悪いが自分はヤンほどディーンドライブに思い入れがないんだ」
「ああ、そうだった。それは嫌ってほどよーくわかってたのになぁ」
ヤンはイオリが基地内でのディーンドライブ損耗率ワーストランカーであることを思い出して頭をかいた。
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