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「それよりも、もしそのディーンドライブが来たらパイロットはどうなるんだ?」
イオリがそう訊ねた。
ヤンは腕組みをして頭をひねらせる。
「うーん、どうなるんだろうね。もしかしたらイオリになるかもしれないよ?」
「……それはないだろう」
イオリはマーガレットに「小隊の金食い虫」と嫌身を言われていることを思い出しながらそうつぶやく。
ヤンもそんなイオリの心中を察したかのように苦笑いを浮かべながらいった。
「ま、たしかにイオリにまかせたらすぐ壊されそうだけどさ……でも、ガリオンの撃墜数はこの基地でもトップレベルだろ?」
「オリト・スラックスには負けるさ」
「彼はスペシャルだよ。オルトロスっていう機体もだけど、本人の技量もね」
「そうだな。だがそうなると彼が新型のパイロットに選ばれる可能性は高いだろう」
「それもどうかな。オリトにはオルトロスがあるからね。あの機体を遊ばせておくほど上も馬鹿じゃないでしょ」
ヤンはふと何かを思い出したような顔になると、声をひそめていった。
「そうそう、あともうひとつ噂があったんだ。なんでもまた国から誰かが派遣されてくるらしいよ」
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