波乱の春

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「……」 『なに?離してくんね』 「おまえ、は…。生徒会を辞めてどうする気なんだ」 『は?どうするって、自由きままに生きますけど?』 「っ!俺との関係はどうするつもりだ!!!」 その言葉に俺は首をかしげる。 え、何言ってんのこの会長。 『え、もう別れてるじゃん俺ら』 そんなに大きな声を出したわけではなかったが、俺たちのやりとりを息を潜めて聞いていた生徒たちにも、それはしっかり伝わったらしい。 何故かうおおおお、とかきゃあああとか、今までにないほどの歓声が上がった。 ほんとですか!副会長様!という声がどこからかして、ああ。と頷くと涙を流す者多々。え、なんで?つーかもう副会長じゃないってば。 俺の腕を掴んだまま呆然としている、会長の手を引き剥がす。そして今度こそステージ裏へと向かおうとした、のに。 「おい、静!なんでそんなひどいこというんだよ!みんなのことも考えろよ!」 突如俺の前に立ちはだかった、少年Aもとい転校生。せっかくさっきは匿名にしといてやったのに、のこのこステージにまで上がってきやがって。通ってきたのであろうステージ脇階段の近くで、青ざめて手を合わせてくる風紀を軽く睨む。 「おい、聞いてるのかよ静!お前がみんなの仕事してたなんて信じられない!静以外のみんなはずっと俺と一緒にいたんだぞ!!だからサボってなんていない!!」 はーい戯言ほざいてんな、このクソガキ。 マイクを使う必要がないほど大声を出し、加えてあえて証拠だしを行わなかったサボりの事実を証明してくれた。 ふ、と口角を上げると転校生が顔を赤くする。静ってこんなかっこよかったか?とか呟いてる。ちょ、ぞっとするんでやめてくれ。 俺はゆっくりと転校生の方へ近づく。 すると生徒からは悲鳴があがり、後ろからは役員たちの俺を呼び止める声が聞こえてきた。 それに構わず、進む。 そこ、ほお染めんな。 ちょうど転校生の正面で立ち止まった俺に、何を勘違いしたのかそいつは俺に抱きついてこようとした。から、 『自惚れんなこのクソビッチが!!!』 頭スパーンをお見舞いしてあげた。
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