苺大福

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…。あ、れ。ちょっと待って。これ…。 「…え、え?」 お母さんとお父さんのいない間。私は、居候みたいなことをするの? 「えぇ!?聞いてない!」 やっと。お母さんの言葉の意味を理解する。視界が急にクリアになる。靄がかかった視界のフィルターがなくなる。 「今、言ったもの」 嘘…3ヶ月も…?他人の家に居候しなくちゃいけないの?うぅ、嫌だ。 「やっぱり。苺がひとりっていうのは、危ないからな」 全国のお父さん代表みたいな、どこにでもいそうなうちのお父さんが口を開いた。 「いや。私、高校生だよ。ちょっとくらい大丈夫だって」 よし。なんとか説得して、ひとりでお留守番させて貰おう。脳を活発に活動させる。ぐるぐると、説得力のある言葉を考える。
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