苺大福

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「こら。苺、お行儀が悪い。むこうではそんなことするなよ」 …怒られた。地味にお父さん見てたんだ。 あぁ、もうっ!諦めるしかないな、これ。黙って頷いてればいいか。本当に、憂鬱だ。 「むこうに帰れって、どこか分からないんだけど」 それに。荷物とかはどうするんだろう。私の分だけ、お引越し業者に頼むのだろうか。 「あぁ、それね。お迎えにきてくれるらしいわよ。…えーと、ナオちゃん。だっけ」 「…ふーん」 なるほど。その家の、同じ高校の『お子さん』が、家まで案内してくれるんだ。 「ナオか…。懐かしいな」 と、珍しくお父さんが会話に入ってくる。そういえば、お父さんの知り合いのお家だっけ。
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