苺大福

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「…はぁ」 自分にも。聞こえないくらいの小さな溜め息を吐く。 いきなり。こんなむちゃくちゃなことを言う親だけど。文句なんて言えない。 だって、今まで育ててくれたのは親だし。別に特別、裕福だとは思えないけど。それなりに恵まれてると思うし。親の仕事が、本当はすごく忙しいってことも知ってる。 でもー… …もっと早く言ってよっ!! いくらなんでも。明日からって。…やっぱり、憂鬱だ。あぁ。うまく、馴染めるのかな、私。 昔から。人見知りする方だった。そのせいで、幼稚園でも。友達が少なくて。唯一の友達が揃って休んだ日。私は、勿論。ひとりになった。幼かった私は、外で遊ぶ子を泣きそうになりながら見つめていた。
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