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そんなとき。唯一、私に声をかけてくれた子が居た。男の子だったと思う。
『ねぇねぇ、今日は僕と遊ばない?』
はっきりと。今でも覚えているあの言葉。嬉しくて、嬉しくて。うんっ!て力強く頷いたのを覚えている。その拍子に、涙が零れたけど。彼は何も言わず、お外行こっかって手を引っ張ってくれた。
その日から、その子は毎日遊びに誘ってくれた。名前は分からない。覚えてない。でも、確かひとつ下の学年だったと思う。そして。私が卒園してから、全く会わなくなった。
…また、会ってみたいな。
◇ * ◇
「えぇ!…いきなりだね」
「でしょ」
翌日。学校で、今日から始まる地獄の居候生活について。瀬奈に喋っていた。瀬奈とは、去年同じクラスだった。
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