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それは突然起きた。
「今日も僕の家……来るよね?」
学校帰りに言われた言葉。
グッと強く掴まれた右腕が痛い。
「今日?どうしようかな~。見たいテレビあるんだよね……」
「僕の部屋で一緒に見ればいいじゃん」
「ねっ?」と言われ、何の躊躇いもなく真白の家に上がらせてもらった。
普通の人だったら異性の家に上がるのは少し抵抗があるものなのかもしれない。
でもあたしと真白は昔からお互いの家を行き来しているから抵抗がない。
高校生の今でも週に1回は必ず真白の家に行っている気がするし、幼なじみなだけあって親の信頼も厚い。
夜遅く帰っても真白の家に居たと言えば許してもらえる。
「お邪魔しまーす」
玄関を開けると奥からパタパタと走ってくる音がした。
「あっ!りっちゃんいらっしゃいー!」
思いっきり抱きつかれた(いや衝突?)。
「真冬ちゃん帰ってたんだあ」
「うん!もうりっちゃんに会いたくて会いたくて仕方がなかったよ!」
「昨日会ったばっかでしょ?」
「真冬。女という性別をいい事に凛に抱きつくな」
真白があたしと真冬ちゃんを引き離す。
彼はいつもあたしと真冬ちゃんが仲良くしてると不機嫌になる。
「お兄様ひどい」
「気持ち悪い」
彼女は木崎真冬(キザキ マフユ)。
真白の3つ年の離れた妹だ。
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