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真っ新な青い空。
雲一つない今日は、まさに快晴というに相応しいだろう。
文句ない仕事日和な日なわけだ。
「ええと。今日の配達はっと」
飛脚屋の仕事はまず、自宅の文受けの確認から始まる。
家自体が森なのでぶっちゃけここにはあまり投函されない。
配達途中に頼まれることのほうが圧倒的に多い。
まあ、その方がいろんな人とお話できるし全然構わないのだけれど。
数枚の文を箱に入れ、三尺棒に固定して担ぎ上げる。
高揚してきた気分のまま、懐から地図を取り出す。
毎回の配達を効率的に、そして迅速に手紙を届けるための自作の地図だ。
この集落に住む人の自宅やお店から、急勾配や近道なども記されている。
「よっし。がーんばーるぞー!」
「毎度! ご利用ありがとうございまーす」
五件目である家の戸を閉めると、すぐに次の配達先へ急ぐ。
右足と右手、左足と左手を同時に出し肩で風を切るよう走る。正直走るというより早歩きの方が近いのだが、何はともあれ飛脚にとってはこれ以上ないフォームなのだ。
ふと、空を見上げる。
予想より太陽が上がっていた事に少しだけ眉を潜める。
ーーーやば。思ったより時間かかってる。
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