11 悪夢

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「今、一通り手当てをしたところだ。命に別状はないが、かなり熱が高い」  オレはあわてて靴を脱ぎ、氷枕を持って寝室に入っていく伊波の後を追いかけた。  ベッドに寝かされた慧は、あの台風のときみたいに苦しそうな息をしていたが、状態は、あのときよりもっと悪そうだった。  氷枕をあてがうために伊波が頭を持ち上げても、目を開けることもなく、ただされるままになっている。 「慧……」 「中川、ちょっと来い」  どうしていいかわからなくて立ちつくすオレの腕を、伊波が強引につかんで寝室の外へ連れ出した。 「おまえ、北城がどうしてあんなことになったのか、心当たりがあるんじゃないのか」
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