11 悪夢

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「オレも、何となくそう思ってた」  オレは、サレストの話をするときの、慧のおびえたような顔を思い出した。 「伊波は、サレストに会ったことは?」 「何度かある。そのときは、当たりさわりのない話しかしなかったが……ただ、かなりくせのある奴ではあるな」  伊波は、あまり詳しいことは言わなかったが。  でも、その表情や口ぶりから、伊波はあんまりサレストのことを好きじゃないんじゃないかという気がした。 「サレストのことが、どうも引っかかる。俺の方で調べてみるから、おまえは北城についていてやれ」  そう言って、伊波は足早に部屋を出ていこうとする。 「あ、伊波!」 「何だ。まだ何かあるのか?」
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