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あわてて呼ぶと、伊波は足を止めて振り返った。
「あの……いろいろありがとう。今回のことももちろんだけど、この前も助けてもらったし……」
「別に、おまえたちのためにしたんじゃない」
伊波は肩をすくめた。
「俺たちのうちで誰か1人でも欠ければ、その分、食われる人間が増えるからな。仲間同士でフォローし合うのは当然のことだ」
そっけなく言って、伊波はそのまま部屋を出ていった。
あいかわらずぶっきらぼうだけど──でも、やっぱり伊波って、肝心なときに頼りになる奴だ。
今回のことも、何でもないことみたいに言ってたが、長身の伊波よりさらに大きい慧をここまで運んでくるのって、けっこう大変だっただろうし。
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