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体のあちこちから血がにじんで、赤黒く腫れ上がっていて、はじめのうちは、目をそむけたくなるくらいだった。
苦しそうにうなされ続ける慧を見ているのはとてもつらくて、何度病院に運ぼうと思ったかわからない。
でもあの後、伊波からまた連絡があって、「ディシオンは、もっとひどい状態からでも回復するので、心配はいらない」と言われたので。
オレはぐっとガマンして、汗をふいたり、氷枕を取りかえたりする以外は、ただ慧のそばで様子を見守っていた。
目を開けたと思っても、またすぐに眠ってしまうというのを何回も繰り返した後。
──3日目の朝に、慧は、ようやく意識を取り戻した。
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