11 悪夢

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 本当のことを早く知りたいような、知るのが怖いような……そんな気持ちで、ドキドキしながらドアを開ける。  事務所の中は思っていたより広かったが、他の社員はもう帰ったらしく、そこには伊波以外誰もいなかった。 「──来たか」  伊波はオレの顔を見るなり、さっそく大きな封筒をバサッと放ってよこした。 「そいつがサレスト……九鬼芳行だ」  封筒を開けてみると、中には何枚かの写真が入っていた。  そこに写っていたのは、細身のフレームのメガネをかけた、白衣の男。  端正な顔だちをしているけれど、写真を見ただけで、ピリピリした神経質そうな感じが伝わってきて……オレはあんまり好きになれなかった。
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