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実家で新年を迎えたオレは、久しぶりに、家族と一緒に初詣に出かけた。
破魔矢やお守りを買って、昼頃に戻ってくると、まるでそれを待っていたかのように家の電話が鳴った。
「はい、中川です」
一番電話に近いところにいたオレが、何げなく受話器を取ると、
『──伊波だ』
聞こえてきたのは、予想もしていなかった相手の声だった。
「えっ……い、伊波!? 何で、うちの番号を知ってるんだ?」
『俺の職場は探偵事務所だからな。電話番号を調べるなんて簡単なことだ。が、そんなことはどうでもいい』
この前会ったときと比べて、伊波の声は、なぜかずいぶん急いでいるような感じがした。
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