11 悪夢

2/20
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
 実家で新年を迎えたオレは、久しぶりに、家族と一緒に初詣に出かけた。  破魔矢やお守りを買って、昼頃に戻ってくると、まるでそれを待っていたかのように家の電話が鳴った。 「はい、中川です」  一番電話に近いところにいたオレが、何げなく受話器を取ると、 『──伊波だ』  聞こえてきたのは、予想もしていなかった相手の声だった。 「えっ……い、伊波!? 何で、うちの番号を知ってるんだ?」 『俺の職場は探偵事務所だからな。電話番号を調べるなんて簡単なことだ。が、そんなことはどうでもいい』  この前会ったときと比べて、伊波の声は、なぜかずいぶん急いでいるような感じがした。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!