11 悪夢

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『北城が倒れた。今、奴の部屋にいる。──おまえもすぐ来い』 「慧が……倒れた!? それ、どういうことだよ」 『詳しいことは、おまえがここに来たら話す。とにかく早く来い』  電話は、そこでプツリと切れてしまった。 「お、おいっ──伊波!」  オレは受話器に向かって呼びかけたが、もちろん返事があるはずもない。 「奏太、どうした?」 「あ、親父。急なんだけど、オレ……ちょっと出かけてくる」  オレの様子がおかしいのに気づいて声をかけてきた親父に、そうとだけ言って、オレはまた玄関を出ていこうとした。
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