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『北城が倒れた。今、奴の部屋にいる。──おまえもすぐ来い』
「慧が……倒れた!? それ、どういうことだよ」
『詳しいことは、おまえがここに来たら話す。とにかく早く来い』
電話は、そこでプツリと切れてしまった。
「お、おいっ──伊波!」
オレは受話器に向かって呼びかけたが、もちろん返事があるはずもない。
「奏太、どうした?」
「あ、親父。急なんだけど、オレ……ちょっと出かけてくる」
オレの様子がおかしいのに気づいて声をかけてきた親父に、そうとだけ言って、オレはまた玄関を出ていこうとした。
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