11 悪夢

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(慧……)  一体何があったのか、慧が今どんな状態なのか、伊波は何も教えてくれなかったので。  電車に飛び乗り、慧の家へ向かう間も、不安と心配でどうにかなりそうだった。 (そういえば、慧はいつも月末に様子がおかしかったけど──もしかしたら、それに関係あるのかも)  いろいろ想像してみたものの。  でも、この目で慧の姿を見てみないことには何もわからないので、オレは、ひたすらマンションへの道を急いだ。 「伊波っ! 慧は──」  バタンとドアを開けて部屋に飛び込むと、伊波はちょうど、キッチンの冷蔵庫から氷枕を取り出しているところだった。
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