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………なんて言える訳もなく、優坊は黙って自販機のボタンを押したのだった。
ガゴンッという音と共にトレーに落下されたのは、バナナアイス。
「おまえは?五百円入ってんだから押しまくっていーよ。」
その言葉に笑い出す奈央子。
彼女は少し手迷った後(のち)、人差し指でボタンを押した。ガゴンッと音がして出てきたアイスは、桃味。
「桃 好きなんだな。そーいや入浴剤あれ桃の匂いしてたろ」
「あ、気付いた?うん、入れたの。特に先生からは入浴剤入れたら駄目って言われてないし。私、桃って食べるのも好きなの!見た目もカワイイし…」
「エロいねぇ、この組み合わせ。俺バナナだしぃー」
全く分かってない、というより何を意図して言ってるかも分からない様子の奈央子は、きょとんとした表情で、黙々と桃味のアイスをかじっていた。
この二人が結ばれる日は一体、いつになったら訪れるのか。
むしろ それ以前に、そんな事があり得るのか。
それは誰にも分からない。
そう 作者にだって、分からないのだから。
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