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リビングに行くとなにやら言い合いを始めている二人を見て慌てて仲裁に入る。
「おいおい、何やってるんだよ……」
「む、折紙が私の作ったチョコはシドーに受け入れられるような代物じゃないと言うのだ。」
「はぁ?」
「十香の作ったそれはかろうじて食べ物のカテゴリーに加えられる程度の出来映え、士道も見てみたらわかる。」
「…………」
ちら、と十香の可愛くラッピングされた包みを見てみるとまるで焼け野原、ダークマターさながらの物質が入っていた。
確かに、ギリギリである。色々。
『令音、どうなってるの?』
『ん、ああ。実は自分で作りたいからと私は閉め出されてしまったんだ。レシピだけは渡しておいたがね。』
「大丈夫なんですよね、これ。」
『見た目はあれだが、材料は同じだし、食べれないほどのものじゃないだろう。安心したまえ。』
「はあ……」
『いいから、とにかく誉めてあげなさい。十香が不安がっているわ。』
「ああ、ええと、初めて作ったにしたら上出来なんじゃないか?それに、見た目も大事かもしれないが、やっぱり、気持ちが大切だと思うぞ。一生懸命作ってくれたんだ、きっと美味しいさ。」
「おお…!!」
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