五河バレンタイン

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「シドー!」 本日最後の授業が終わり、帰り支度をする士道に隣の席から十香の元気な声がする。 なにやらその後ろで3人組亜衣、麻衣、美衣がニヤニヤしていた。「また何か余計なことを吹き込んじゃねぇんだろうなあ……」 「な訳ないでしょう!」 「私たちいつも十香ちゃんのためにできることをしてるだけだよぅ?」 「そうそう、もし十香ちゃんを泣かせるような真似したらあれだよ?トゲトゲのお馬さんにのってもらうよ?」 「さらっと恐いこと言うなよ!?」 「……で?十香、一体どうしたんだ?」 「うむ。今日2月14日はバレンタインデーというやつらしい。」 「ん、そう言えば…」 今朝がたのニュース番組で特集をしていたのを思い出した。 忙しいので忘れていたが。 「と言うわけで、シドー!私にチョコをくれ!」 それくらい構わない、と言おうとしたが、おかしな点に気づいた。今日はバレンタイン、つまり…… 「十香、いいか、バレンタインデーは女子が好きな男子にチョコを渡す日なんだ。まあ、今時は女子同士で友チョコだとか言って渡し合ったり、親い男性に対する礼儀として渡すようなことはあるが、基本、女子から男子へ渡すもんだ。」
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