五河バレンタイン

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「うん。」 そう、ぎこちなく微笑んで見せる折紙。 実は、とある理由により、折紙は最近まで表情をつくることができずにいた。 今は少しずつできるようになっているがまだぎこちなさが残っているのだ。 「待て!シドーにチョコを渡すのは私だ!!」 「違う、渡すのは私。どうせ、十香はチョコ1つまともに作れない、所詮は味見係。私が作る方が士道も安心して食べれる。」 「なにお!」 「待て、待てって!」 慌てて仲裁にはいる士道。 いつもの事ながらやはり困ったものである。 最近は多少仲良くはなったが…… 「俺は両方食べるから、喧嘩はするな、いいな?」 「……了解した。」 「……うむ。わかった。」 同時にそういうとお互いで睨み合い、ふん!とこれまた同時に顔を逸らした。 本当は仲が良いのではないだろうか?と疑うほどに息がピッタリである。 「そうだ。」 そっぽを向いていた折紙が何かを思い付いたようでクルリとこちらに向き直す。 「これは女子としての魅力を示すのに丁度良い。どちらの方が士道の食欲を刺激するか、競おう。これなら十香も素直に敗けを認めれる。」 「ふん!私が折紙に負ける訳無いであろう!!いつもの舐めた態度を撤回させてもらう。」
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