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「士道の欲求をもっとも刺激できた方の……勝ち。」
と言うとなぜか士道の方を見てペロリと唇を舐めた。
「いぃ……!」
士道は本能的な悪寒を感じ後ずさる。
「むぅ、なぜシドーを見ているのだ折紙!」
「十香には関係の無い話。私と、士道だけの……」
そっと、折紙が士道に寄り添う。
抱けば折れてしまいそうな華奢な身体とか、女の子特有の柔らかいフニフニとした感触とか、鼻腔をくすぐる微かな甘いシャンプーの香りとか、折紙のすべてが士道を包み込んで、くらくらする。
ああ、可愛いよ、可愛いよ折紙!!
「ひゃぁんっ!」
甘い幻想に浸っていた士道を現実に戻したのは首筋を這うしっとりとした感覚だった。
「お、おおオリガミサン!?」
「どうしたの?」
「いや、どうしたっていうか、何をして……」
「舐めている。」
「正直に言った!?」
「貴様!シドーが嫌がっているだろう!!速く止めんか!!」
へばりついていた折紙を引き剥がすと、十香が大声をあげた。
「た、助かった……」
いやあ、危ないところである。いや、何が危ないかって、うまく言えないが、とにかく危なかった。
「最低……」
「!!」
ぼそりと、一人の女生徒の声がした。
士道に向けて、最低…と。
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