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この紙を燃やすんだ。
それで何もかも終わりだ。
始るんじゃない!!
終わるんだ。
朋樹は必死に自分に言い聞かせながら、
灰皿の上に紙を乗せると
震える手でライターの火をつけた。
一瞬で
燃え上がった紙が
炎の中で揺れ動く。
もうこれで終わりだ。
ちゃんと燃やしたし、
それに飛鳥の目は
つり上がったりしてなかった。
だいたいこんなの、ただの遊びだし
子供の頃散々やったけど
何にもありゃしなかった。
朋樹は
ライターの背で燃えかすを灰皿に擦り付けた。
突然なり始めた携帯の音に
身体がびくんと震えた。
きっと、飛鳥だ。
謝らなきゃ……悪ノリしすぎた。
ふざけてごめんって……
嫌な思いさせてごめんって
言わなきゃな……
携帯を手にとって
画面を開く。
でも……
始まるっていったいなんなんだ。
かぶりを振って
朋樹は携帯を握りしめた。
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