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「飲みすぎたの?」
そう聞いた私に彼は、ちょっとね、と呟くように答えた。
その手の中で氷が、またからからと音を立てる。
ふと、何気なくその鮮やかな手元を見た私に、神谷君は少し微笑んで、今度はレモン多めにしますね、と言った。
彼の目には今夜の私も、この青年と同じように少し危なっかしく見えたのかもしれない。
そうね、と素直に頷いた自分に、私自身が少し驚いていた。
「お待たせしました」という声にありがとう、と呟いて私はグラスにゆっくりと唇をよせた。
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