ラスティ・ネイル

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神谷君の言葉どおり、1杯目よりもレモンが(さわ)やかだった。 「お姉さんは、なに飲んでるの?」 その声に視線を返すと、青年は少しいたずらっぽい目で私を見ていた。 「よけいなこと」 言うな、と彼を制そうとした神谷君にいいよ、と合図して私は彼に言った。 「これはね……ラスティ・ネイル」 手の中のグラスをゆっくりと彼に示すと、カウンターの上の暖かい灯りが、琥珀色(こはくいろ)の液体と砕かれた氷を、柔らかく照らした。
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