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「BAR シノワ」は、マンションに帰る道の途中にある。
螺旋階段を下りて久しぶりにそのドアを開けた私に、バーテンダーの神谷君はにっこりと笑った。
「いらっしゃいませ。蒼衣さん」
今日はお一人ですか?とも、待ち合わせですか?とも聞かない彼は、きっとバーテンダーとしては合格だ。
こんばんは、と言いながら目の前に座った私に彼は、いつものでいいですか?と優しく聞いた。
「……お願いします」
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