ラスティ・ネイル

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「イギリスの俗語では『古めかしい物』っていう意味もある」 なんだか少し怒ったような神谷君の声を聞きながら、私はグラスを半分ほど空けた。 背中の方ですみません、という声がして、神谷君がはい、と答えた。 「好きなの?そのカクテル」 青年の目が、横顔に貼りついているのがわかって、私は少しだけ笑おうとした。 「好き……なのかな」 その視線を感じて、私は思わず吐き出すように口を開いていた。
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