ラスティ・ネイル

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彼はふっ、と微笑んで言った。 「憎まれようとしたんだよ……そいつ」 「……え?」 「あなたに憎まれてでも、覚えていてほしいって。みっともなくてもサイテーでも忘れられるよりいいって、そう思ったんじゃないかな」 「そんなこと……」 ない、と言おうとして、今度は私が少しだけ、息を飲み込んだ。 「だってお姉さん、現に引きずって。そいつのこと、1ミリも忘れてないじゃない」
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