ラスティ・ネイル

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「酒をやめる。もっと綺麗な色の、あなたに似合う酒にする。そして、音楽も、映画も、本も、その男に(つな)がるものは全部、捨てる」 「捨てる……」 「そして」 思わず、彼を見つめてしまっていた。 「俺くらいの若い男と、恋をする」 にっ、と笑われて、それに誘われるように私は笑い出した。 一度笑い出すと何だかそれは止まらなくなって、目の端に涙がにじむまで、私はしばらく笑い続けた。
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