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静かにジャズの流れるこの店のカウンターは、そんなに広くない。
右端の席に男の人が一人、座っているのが見えた。
カウンターに右ひじをついて顎を乗せている彼は、まるで眠っているみたいだ。
……綺麗な人。
ちらりと見た横顔は顎がつん、としていてすっきりと美しかった。
テーブル席の小さな話し声と、低く流れるジャズと。
それは今の私にとって、とても心地の良いものだ。
一人になりたい。でも一人きりはつらい。
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