ラスティ・ネイル

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それは、南の国の海のような、美しい青い色をしていた。 細いピンに刺した赤いチェリーとライム・ピールが、そのカクテルの青色を鮮やかに引き立てている。 え?と見上げた私に、神谷君は生真面目な顔で言った。 「僕もあいつの、周の言うことは正しいと思います。……蒼衣さんはこういう、綺麗な色のお酒を飲むべきです」 私がカクテルグラスの細い足に指で触れると、カウンターの上で、その爽やかな色はゆらゆらと少しだけ、揺れた。
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