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「それは……残念ですね」
あんまり残念そうでもなく神谷君は言って、私はそれがおかしくて少し、笑った。
「お姉さんも……ふられたの?」
不意に声がして目をやると、カウンターの端にいた青年がこちらを見ていた。
「起きたのか?」
神谷君が慌てたように言って、すみません、と私に頭を下げた。
私が返事のかわりにくすっと笑うと、神谷君は彼の前まで行って、「迎えが来るから、おとなしくしてろ」と囁いた。
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