ラスティ・ネイル

7/35

38人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「子どもじゃないんだから……大丈夫だってば」 くぐもったような、不満そうな彼の(つぶや)きが聞こえた。 テーブル席のお客さんに呼ばれて神谷君がいなくなると、私はあらためて青年に目をやった。 さっきと同じ姿勢のままで、彼はふう、とひとつため息をついた。 「神谷君のお友だち?」 私の声にうっすらと目を開けた彼は、ふっと笑った。 「友だち……じゃないけど。友だちで……後輩かな」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加