2piece 夜の誘惑はチョコレートの味

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仕事を終えて会社を出ると、私は東条社長と待ち合わせしたビルに向かう前に、チョコレートを買うことにした。 やっぱり少しだけ残業になって、今時刻は7時30分近く。 それでも待ち合わせの10時までは、まだまだ時間がある。 『私も、ちょうど……君のチョコレートが欲しくなったところだったので』 社長の言葉が、耳に残っていた。 「チョコレート買ってかなきゃ」 私は、会社周辺のビル内のスイーツ店を覗いていく。 でも、美味しそうなケーキはたくさんあるけど、良さそうなチョコレートは、なかなか見つからない。 (それにしても、最初甘いものは駄目なんですって言ってたのに、チョコレート欲しいって……) もしかして、私の手作りチョコ食べてチョコ好きになったとか? そう言えば、社長は、私の渡したチョコの残りの入った箱をちゃんと持っていってくれていた。 「それって、私のチョコが結構美味しかったってことだよね!」 そう思いながら、一人でニヤつく。
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