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確信して歩いて来た先に建つ、山小屋。
目的地とした山小屋とは違ったけれど、小さな小屋の中では確かに火が焚かれていた。
「誰も居ない?」
多分、猟期にだけ使用される小屋なのだろう。
人の気配の無い小屋は何処か寒々しい。
「暖まらせて貰おう」
それでも、火の粉を撒き散らしながら燃え上がる炎は人を惹き付ける。
寒さに参り掛けていたから、一も二もなく頷いて小屋の中に入り込んだ。
「寒いな」
彼の言葉に頷く。
手入れの行き届いていない小屋は、入り口の扉さえ無い。
そのお陰で、外に舞い飛んだ灰に気付けた訳だけれど。
どちらからともなく身を寄せ合う。
「小屋の人、来ないのかな?」
「罠とかの、見回りに行っているんじゃないか」
「夜中だよ? それにこの山、猟出来たっけ」
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