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「……貴様ァ、」
助けた礼の一つも言わない。それどころか迷惑だと舌打ちをこぼした少年に青筋を浮べて、わなわなと拳を握り締める金髪。
「………はぁ、邪魔です」
少年は高揚した気分が一気に下がり、ため息をこぼした。
それもそのはず、だって金髪自身には興味の一欠片もない。少年が見たいのは金髪の顔ではなく『魔法』なのだから。
少年は非常識だった。相手を不愉快にするつもりなんかなかったのだが、少年の行動で金髪は案の定乱心だ。
「(一発締めてやろうか…?)」
プライド高き俺様気質の金髪は拳を握る。
少年は金髪を視界に入れず、金髪越しに暴れ狂ってる魔族を観察した
あ。
魔族と目があってしまった。
しまったと思い目線を逸らそうとしたその刹那───、魔族の触手がこちらに向かう
金髪は気づかない。少年は、チッと舌打ちをこぼし、金髪を押す。
金髪は突然乃衝撃に耐えられず地に落ちる
「─!!?何をする!?」
「……ほんと邪魔」
カチャリと音を出して少年は、腰から何かを取り出した。
「は?銃なんて何で…、」
「借りは返すよ」
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