194人が本棚に入れています
本棚に追加
*****
レイ・エドワードは不機嫌であった。
別にEクラスには不足はない。
寧ろ他人に無関心なレイがそんな物に興味を示すはずがない。
そんな彼がどうして、Eクラスの全員が怯えてしまうくらい不機嫌なのか。
理由は、趣味の悪い赤いピンをつけた男にあった。
そう、レイの幼なじみである彼が、『びっくりするからな』と意味ありげにレイに語っていたにもかかわらず、何も楽しいことどころか、びっくりすることもない。
期待して、アホ毛をたたせたまま、教室に入った瞬間、アホ毛がしぼむように下がった。
「………最悪」
ぼそりと呟いた彼の言葉は決してクラスのメンバーにいったわけではないが、初対面の彼らはその言葉に背筋をふるわせた。
最初のコメントを投稿しよう!