目には目を。

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***** レイ・エドワードは不機嫌であった。 別にEクラスには不足はない。 寧ろ他人に無関心なレイがそんな物に興味を示すはずがない。 そんな彼がどうして、Eクラスの全員が怯えてしまうくらい不機嫌なのか。 理由は、趣味の悪い赤いピンをつけた男にあった。 そう、レイの幼なじみである彼が、『びっくりするからな』と意味ありげにレイに語っていたにもかかわらず、何も楽しいことどころか、びっくりすることもない。 期待して、アホ毛をたたせたまま、教室に入った瞬間、アホ毛がしぼむように下がった。 「………最悪」 ぼそりと呟いた彼の言葉は決してクラスのメンバーにいったわけではないが、初対面の彼らはその言葉に背筋をふるわせた。
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